エヴェンキ

*[北アジア]エヴェンキ


【名称】エヴェンキ  【期間】
【本拠】トゥラ(1930-) 【家祖】
【概要】ツングース系民族の一つで、主にロシア国内のシベリア連邦管区にあるエヴェンキ自治管区に居住する。ほか、ロシア国内ではサハ共和国などにも居住し、中国国内でも興安嶺山脈周辺の内モンゴル自治区黒竜江省などに居住している。「エベンキ」とも表記される。
 民族を代表する生業は狩猟とトナカイ遊牧で、狩猟では皮革採取や肉・内臓の食用のために鹿類、テンなどが捕獲の対象である。狩猟の際の移動にはトナカイに騎乗し、トナカイで荷物も運搬する。 交配のための種雄を除き、雄のトナカイには去勢を行なう。トナカイはそのほか、乳飲用に利用するほか、その肉・内臓・血を食用・飲用とし、中国では漢方薬として袋角採取も行う。基本的にトナカイの飼育・管理は女性の仕事であり、男性が狩猟に専念しやすくなっている。
 伝統的な住居はオロチョン族と同様、比較的細い白樺などの幹を何本も組んで、その外部をトナカイ等の毛皮、または夏には樹皮で覆った円錐形の天幕式住居である。現在では定住化のため、ベースとなる住居は近隣のロシア人や漢族と同様のものだが、狩猟や、地衣類の豊富な場所へのトナカイの移動で、ベースの住居を離れねばならない場合、伝統的な天幕式住居またはその他のテントを設置して野営する。